ジョイントベンチャー | ベンチャー日記

ジョイントベンチャー

先ほど、旧知の起業家から携帯に一本の電話が入った。この時間にかけてくることを考えると、飲みの誘いか、会社への誘いか、緊急の相談だ。例のごとく世間話をしてから本題にはいる。今回は緊急の相談だった。内容は、某大手企業とジョイントベンチャーを作るので、資本政策の相談に乗って欲しいという。明らかに図体が異なる企業。吸収に近い形になるに違いない。
そもそも対等のジョイントベンチャー設立で成功したことを聞いたことがない。どちらかが主導権を握る必要があるのだが、今回は友人が弱い立場になる。子会社の役員の立場で良いのか。明らかに軽く組める相手として見られているから、彼の将来図を考えた上でアドバイスしてあげなければならない。逆に彼の事業にそれほどユニークさがないので、あまり厳しい条件を突き付けても他社に提携先を移すだろう。成功のためのひとつの大きな転機でもあるが、失敗すると築き上げてきたものを吸収されて終わりになる。
そのジョイントベンチャーも数年で上場させたいとの意向。果たして彼はそのベンチャーを率いるだけの経営能力があるか。でなければ、数年で排除の憂き目にあってしまう。そのような場合でも、うまく株を売り抜けられるスキームを考えてあげたい。
ジョイントベンチャーの難しさを知るだけに、あらゆるケースを想定し、有利な条件を引き出してあげたい。
ジョイントベンチャーの一番の難しさは、企業の文化の相違が三割、事業の中核を握る技術やノウハウの差異が三割、資本構成が四割を占めると考えている。文化は実はとても重要。スタートの段階で目標をきちんと設定し、文化を強制するのではなくお互いの良い文化を取り入れていくという共通認識を最初に話し合っておくことが最後の最後でほんとに効いてくる。
数字は極めて大事だが、さらに重要なものがあることを忘れてはいけない。