ミドル | ベンチャー日記

ミドル

 今日も、朝からドタバタ。
決算を明日までに締める。なんとか締まりそう。
夜は面接4件。ちょっと、ぐったり。
 
面接をこれだけ続けていると、だいたい最初の30秒で
結論が出てしまっている。初対面の印象と最初の一言、二言。
これでその後、話を聞きたいかどうかが決まってしまう。
 
逆の立場になると怖いものがある。
今日の面接は1/4のヒット率。
 
某社長からジョイントベンチャーの件で、ご相談メール。
このJV。最初から負けネゴとなってしまっている。
なんとか挽回できるように処方箋を送るが、なかなか相手も
折れてくれない。私が交渉当事者なら、もっとタフに交渉する
のだが、いつもどこかで妥協してしまい、負けてしまっている。
ガンバレ、社長!と一言言いたい。
 
もう1通、某社長からのメール。
会社の規模が30名を超えて、突然、マネジメント
が難しくなったため、どうしたらよいかというご相談。
仕事は順調だが、プレイングマネジャーとしても活躍中のため、
日々の仕事は忙しくなるばかり。
 
ミドルマネジメントもトップの話を、歪曲して下に伝えるために、
組織としてそれぞれがばらばらの方向を向きはじめている。
 
ベンチャーが成長する上で、マネジメントの限界というものがあるという
話を以前、某ベンチャーキャピタリストから聞いたことがある。
 
確か、30人、100人、300人ぐらいに分けていたかと思う。
それぞれに、マネジメントの壁が生じ、経営者はそれぞれのステージで
次のステージに進まなくては会社としては限界を迎えるらしい。
 
30人程度になったときに生じる問題は何か。
 
まず、第一は、コミュニケーションの問題だろうか。
今まで、気軽に話しかけていたのに、人数が急激に増えたために、
一人一人との時間が少なくなり、急に疎遠になった気分になる。
意識的に、社員との交流機会を作っていかないと、見切れない
社員が出てくる。コミュニケーションの疎遠は、社員のモチベーション
の低下も生み出す。
 
次に、ミドルマネジメントがマネジメントを要求されるようになること。
ある程度、社長ワンマンで突き進んでいた会社も、ミドルマネジメント
層が育っていないと、業務に追われて、本来の社長としての仕事に
集中できなくなる。このステージでは、成長企業であれば、
次の事業戦略、人事体制の構築を社長が主導して行なっていないと
社長が現状の実務のタフさに耐えかねて、力尽きることが早晩訪れる
だろう。
 
30名程度のマネジメントのポイントとして、経験則として感じるところは、
結論として、「社長の思考を熟知した数名のミドル層をいかに育成しておくのか」
ということになるだろうか。権限委譲も必要だが、この時点においては、
ある程度社長や役員が権限を持っていてもそれほど支障は無いと思う。
(権限委譲が全くない状況では、ミドルは育たないが・・・)
 
ミドルを育てる突破口は、新卒等からの生え抜きの人材がいれば
その人材を育成していく方法もあるし、外部からとってくる方法もある。
 
ただし、外部から調達する際、気をつけなければならないのは、
以前の企業の手法を押し付けるタイプ。この手は、最初は色々な
施策を打つが、手駒がなくなると次の手がない。自分の頭でじっくり
考えたことがない、ちょっと頭の良いタイプ。
 
最も良いのは、前職で、その会社に沿った改革を主導してきた人物。
 
論理的思考とコミュニケーション能力は、是が非でも重視したい。
 
会社の平均年齢や職種にもよるが、30歳半ばぐらいの候補者を採る
のであれば、新卒で5年~10年程度勤め上げ、多くても転職経験1社~2社
程度の転職経験者が妥当かな、と感じる。
 
いずれにしても、転職したばかりでミドルとして機能することは難しい。
一定期間を現場で働いてもらったほうが、後々の組織作りはやりやすい。
半年程度、働いてもらったところで、若干の指導者としての経験もさせ、
うまく軌道に乗ってくれば、ミドルに上げるという方法が正攻法だと思う。
 
このポジションがしっかりしているベンチャー企業はあまり存在しないが、
逆にしっかりとしている企業は、非常に強く、会社としての成長性も高いと感じる。